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2013.07.01

中年男性でコンタクトを始めると不便多い

眼科では中年男性から「コンタクトレンズを始めたい」という相談を受けるのが月に数回あります。なので僕が普段説明していることをメモとして書いておきます。実感としてコンタクト希望で来た中年男性だと3人に1人はあきらめて帰っているのが実情です。説明の段階でやめる人もいるし、試しにレンズをつけようとして「こんなに難しいのか!」と驚いて挫折する人もいます。
45歳男性の例「コンタクト経験なくて、これからコンタクト始めようと思います。大丈夫ですよね?」
僕の答えの例
◎人生初のコンタクト、最初の検査に1時間か2時間はかかりますよ。
◎スポーツのような強い動機があるならコンタクト始めましょう。
◎強い動機なしに軽い気持ちならコンタクトやめるのが無難です。
◎男性にとって毎朝レンズつけるのに鏡に向かうのは面倒です。
◎40歳や50歳で老眼が始まりますよ。コンタクトつけて書き仕事もしますよね?
◎メガネは1秒ではずせるけどコンタクトはずすのは2分かかります。
◎夜の運転での見え方はメガネよりコンタクトが少し悪くなります。
◎(まぶたをさわってみて)あなたの場合まぶたが硬いからさらに難しいですが覚悟は大丈夫ですか
ざっとこんな感じです。
中年女性の場合だと、鏡に向かう習慣があるし美容的な動機も強いから男性よりはコンタクト向きとはいえます。

ジョンソンやボシュロム、メニコンの広告記事では中高年もコンタクトでバラ色の生活みたいな文章が書いてありますが現実は厳しいモノです。でもって、「遠近両用または多焦点のコンタクト」は遠くもぼけて近くもぼけます。(それで満足する人も一部にはいますけど、とうてい万人向けとは思えません)遠近両用コンタクトに大いなる期待をして眼科にきて、試しのレンズを目に入れて、がっかりして帰って行く人々にたくさん出会っているので、夢は見すぎないほうがいいよ、というのがコンタクトの現実だと僕は実感しています。遠近両用レンズは気持ちの問題もかなり関係するので、「ちっともよく見えるレンズじゃないよ」とクソミソにけなした説明の直後にレンズを目にのせると「ああ、言われるほどボケボケじゃないなあ」と良く感じるかもしれません。
参考として奈良県松本眼科の記事「中高年期にコンタクトを始めるときの注意点 ...」をどうぞ。

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