古い粗悪コンタクト
眼科関連の参考書は医師向け看護師向けとも多数ありますが、コンタクトレンズ方面では古いレンズの商品知識というのが新しい教科書にはだんだん掲載されなくなります。しかし臨床の現場だと、昔のレンズを今も使っている、という珍しい症例に出会うとか、昔に粗悪なレンズを使っていた影響が今も目に残るという症例に出会うわけです。「昔はこんな粗悪なレンズを使っていた不幸な時代もあったなあ」と僕が感じるものを少々メモしておきます。
◎昔に「一週間つけっぱなし」連続装用アキュビューというものもあった(1988発売開始)。合併症も多いし酸素透過性も低いし今考えるとかなり低品質。(実は今もひっそり販売中。そろそろこの1weekのアキュビューの製造はやめて欲しいものです)
◎かつて「酸素透過性が無い」粗悪な品質のPMMAハードレンズもあった。1960年代あたりから普及。(少なくともメニコン社は1994年で、PMMAハードコンタクトレンズの製造中止。その後数年も他社はPMMAレンズを販売していたかもしれない)。酸素透過性ハードに今はほぼおきかわったけれど、妙に長持ちする素材なので昔のレンズを持っている人も世の中にいる。
◎昔はソフトレンズ「煮沸消毒」が主流であった時代もあった。煮沸を生活上の知恵として覚えている世代には「今は煮沸してはいけないレンズがほとんどですよ」と説明する必要がある。
◎「従来型ソフトコンタクト」と呼ばれる1年以上使うソフトレンズも現状で販売されてはいるけれど、もはや存在意義がほぼなくなりつつあります。いつの日か「そんなレンズもあったね」と語られるかもしれません。
◎粗悪品の代表は今だと韓国製カラーコンタクトあたりが代表選手。明らかに低品質。色が溶け出す。角膜に障害を起こす。でもこれが堂々と販売されている不思議。
(2016年追記。JJ社の連続装用1週間アキュビューは2016.7月で販売終了しました。20年以上と長い期間販売していたものです。)
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