診療所サイト制作の広告
「病院、診療所のホームページつくります」という広告がよく郵送されて来ますが、たまに僕も人にアドバイスを求められるのでちょっと業者選定のメモを書いておきます。
◎毎月の更新料金が大切。
◎「今なら撮影費用が無料キャンペーン」や「今なら初期費用割引」は要注意。
最初の費用を値引きしますと強調する業者はだいたい要注意です。初期費用が安くてもあとの月々の更新料金でかせぐのがウェブ制作業者の基本の収入ですから、サイト規模と機能を決めたらあとは大事なのは毎月の更新料金です。月々の更新料金が有料であることはもちろん合法だし技術を伴った労働なので有料で当然なのですが、最初だけ入り口を安くして、月々の更新料金にまったく触れない業者(または営業マン)はあまり信用できません。
◎なお院長や事務長が更新する知識がないとか更新する時間が無いのはよくある事ですが、その場合も「これだけ毎月2万円業者に払うなら、職員にひとりウェブ更新担当者を置いて月5000円の手当を給与に増やすほうがいいぞ」という方針もありそうです。専門知識の少ない職員が更新するならWordPressやDrupalといった仕組みを使うかどうか、が大切になってきます。臨時の休診などをサイトに出そうとすると診療所職員が更新するのがよいと思われます。
◎更新費用は、まず「2年間の総額、5年間の総額」で考えるのをすすめます。
例として初期料金20万円で更新料金が月額15000円なら
最初の2年間で20+1.5*24=56万円。
最初の5年間で20+1.5*60=110万円です。
もしも初期費用に10万円程度の割引があっても5年で110万円の買物なら10万円程度はほんの少々だとわかります。
◎スマートフォン専用サイトも作ります、という別料金は今は業者ごとにマチマチ。僕の主観ではスマホむけ追加3万円は高いなと感じます。ただし2014年の現状として利用者の半数以上がスマートフォンから見ているという事は留意した方がいいです。
◎個人診療所でネットにいくら金をかけるのが普通なんだ、いくらかけたら効果が良いのか、という質問にはなかなか答えづらいです。
ネット以外の看板(駅など)の広告費用とのバランスで考えるのもひとつです。例えば駅の看板やNTT電話帳(今や地位低下?)の掲載料が年30万円ならばネットのサイトも年30万円でもよいじゃないかとの考えもあるでしょうし、美容的要素の大きい皮膚科ならネット広告により多くの宣伝費をかけてもよさそうです。
◎今はSEO(検索エンジン対策)を売り物にする業者は減ってきたように感じていますが、今でも「うちなら絶対にGoogle結果のトップにしてみせます!」とか豪語している業者がいたら、本当かなと一度疑ったほうがよいでしょう。参考に1996-2012年頃までのSEO対策のトレンドをまとめたSEO対策を考えるという資料があります。僕はSEO対策がまったく無意味とは考えませんが、トップページに必要な単語をきちんといれておく、という事さえしておけば十分で、googleエンジン向けにあれこれ小細工をして単語をたくさんちりばめる作業はむなしいと思います。
(ほんとは診療所ホームページじゃなくて名称は診療所ウェブサイトだろ、というツッコミもしたいですが、現実としてこの世界の広告では9割は「ホームページ」で通じてますのでもはや指摘しても誰も訂正しない状態となりました)
参考に、ひらの眼科では現在WordPressでのサイト運営なので毎週の更新作業は院長が自分でやっています。以前は予約カレンダーもほぼ手作業の更新だったのですがさすがにそこは半自動になりました。
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