フォーサム2015大阪
眼科の学会、 フォーサム2015大阪の学会のメモです。
◎7/11土曜日、朝セミナー4 コンタクトレンズ装用の諸問題 =世界の現状=
座長 糸井先生 演者はDr Mark Willcox, Simon Kilvington
1人目 Dr Willcox。 "TFOS" tear film and ocular surface society 学会というグループがある。おそらくそのTFOSの代表がwillcox氏。涙液の中のVEGFレベルが高いことがCL 不快感に関連があるようだ。(どっちが原因とか、因果関係には触れてない)
レンズの中心厚はCL不快感とは無関係といえる。
2人目、Dr Kilvington 。英国。英国のコンタクトレンズ関連角膜感染症の現状。レンズを水道水で洗うな、との教育が大切だ。とのこと。英国ではアカントアメーバ感染症は増加傾向。acanthamoeba keratitis アカントアメーバ感染症の発生数。100万人あたりの比較で、米国は年1.3人。英国2002年は年20人で、今2015年で年80人。この13年で増加。もともと英国は米国よりずっと多い。 英国は住宅の仕組みで、 LOFT water storageが多いのが原因だろうとのこと。雨水を貯めて使用するのが習慣? 上水道と間違えるということか?それとも雨水貯めることで生活環境にアメーバが増えるという意味か? (詳細は不明だった)
参考文献はこれ。Acanthamoeba keratitis: the role of domestic tap water contamination in the United Kingdom. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2004 Jan;45(1):165-9. Kilvington S1, Gray T, Dart J, Morlet N, Beeching JR, Frazer DG, Matheson M.
◎一般講演 涙道/感染症
両眼の涙小管炎で、角膜穿孔を起こした例。76歳。涙小管炎を治療すると角膜病変もなおった。つまり涙小管炎からの炎症物質が角膜潰瘍を起こしていたのではないか、との推理。
◎白内障手術後の眼内炎の統計。多施設共同での統計。 これまではおおまかな数字で0.05%と言われていたが、 今回は前向き調査で集めた。2012-2013年の2年間で205施設、51大学、75病院で60000症例。眼内炎は25例なので全体で0.04%であり、昔の「0.05%と言われていた」とほぼ同じ。ただし今回、HOYA レンズを除くと0.02%になった。偶然だがこの調査期間中にHOYAのレンズの問題が見つかったという話。
(=====以下は追記=====)
CLケアとCL感染。
◎植田:コンタクト消毒剤は、薬剤単体スタンドアロンでのテストと 実際の利用者が使う環境での現場は色々違いがある。夏の室温の高いのは要注意。ケア用品ボトルの出口は汚れるのでケア用品ボトルは開封後一ヶ月で使い切るのを勧める。こすり洗いは今も大切。手を洗い、レンズを洗い、ケースを洗う。
◎江口:健常な人間のレンズケースを調べても、約半数のケースで細菌が見つかった、との報告が香港の論文であり。
◎大家:(発症してない時の)コンタクトでの培養で同定された菌はp.acnesとコリネバクテリウムの2種類で8割を占める。(発症した時の)培養では原因菌はカンジダが多い
◎吉野:オルソケーレンズと角膜感染。米国文献ではオルソケーCLの利用者10000人で14人感染症発生という頻度。
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