「自分の氏名、顔写真、現住所をネットに公開するとどの程度、危ないのか」は時々話題にのぼります。(ひとまず未成年は別として)大人でも顔出しを拒否するひと、氏名写真を積極的に出している人、芸名で通す人など人それぞれですが。僕の印象ではこの20年で顔写真を載せる事は「危険だからやめろ」という人は減ったように感じます。僕も顔出しは万人におすすめはしませんが顔を出す事の長所短所のバランスを見ると顔出しの長所も結構いろいろあるよと感じています。以下は長文ですけどあまりまとめてません。時代ごとに顔写真を出している人たちがいたなという思い出です。
◎1980年頃。 一般人で顔と氏名を公開することは珍しく、芸能人だけが顔と芸名を出していた時代。
インターネット以前の「パソコン通信」では本名を出していても読者が限られていたので問題は小さかったという印象です。自宅住所や電話番号のやりとりは電子メールだけにしましょう、のような緩やかなマナーはあった気がします。
◎1995年頃。 ウェブに顔写真と氏名を出す人はいたし日記も少々見かけたけど、顔写真は少数派。この時代には欧米人がどのくらい個人の顔写真を出しているか、他の国の事情がwebで実感としてわかってきます。実名プラス顔写真を出している個人(それも非有名人)がたくさんいるのがわかりますし、日本でも分野によっては顔と氏名を出すのに抵抗のない人々がいるので個人商店主、経営者、研究職の人間などの顔写真の公開が増えてきました。もっともネット以外で顔と氏名を出して仕事をする人たちもおおぜいいるので(販売店店員、銀行員、美容師、などなど)ウェブで顔写真をだす事が極めて危険だという意見はこの時代でも賛否両論という感じでした。
◎2000年頃。ブログ利用者(執筆者)も増えて自分の氏名、顔、そして個人的な毎日の行動を記す人も一般的に。
ブログの歴史を振り返る「ブログ年表」...によると2003年にココログ、livedoor Blog, Seesaa Blogが開始したらしい。 ここでも一段と個人の顔写真公開が増えて、家族写真、旅行写真を公開する人が一部には出てきました。
◎2005年頃。mixi利用者が増えたのは2005-2007年頃でしょうか?一部のコミュニティでは顔写真もチラホラという感じですし、日記情報の公開範囲もいろいろ設定できましたがある程度の友人だけに写真を公開する文化は適度に続いているようです。
◎2010年頃。日本でのtwitter普及は進んで(普及は2007-2009年頃?こちらの記事
「Twitterは...2006年頃のTwitterを振り返る」によると「日本でユーザーが一気に増えたのは2007年4月ごろ」)とのこと。 またtwitter での実験で
【Twitter実験】つぶやきだけで個人を特定できるのか?でのセブ山氏報告によると「渋谷なう」など複数のツイートと顔写真(目元と眉毛と前髪)を元に個人を特定して実際にその場でインタビューに成功。2人目は身長と体重を元に特定しています。
◎2015年。たぶん2010-2015にかけて日本でfacebook利用者も増加の様子。ただし顔写真を出しても見せる範囲は友人だけ、とか、世界に公開、とか各種設定はあります。
◎2010年-2015年あたりの写真公開や顔写真公開は、SNSの普及もあって「本人が自覚しないうちに現在地の情報を書いている」とか「本人が匿名のつもりなのに、断片的な情報から本名と住所が特定される」という件が増えたのが大きな傾向だと思います。
2015年現在の僕は、本名と顔写真をネットに出し続けて20年くらいになります。 顔写真も解像度なり写し方なり細かい条件はありますが、出していて大きなトラブルには出会いません。むしろ広島市で医者の仕事を続けていると西区の近辺で顔を覚えられているなと実感する事は多いので(買い物中に声をかけられてこっちが驚く)、ネットで顔を出す事よりも開業医の仕事の方が顔を覚えられる率が高いのではなかろうかという実感です。
自宅住所については普段から広島市西区に住んでいると公表しているので、走ったルートの地図公開や近所写真も、「何丁目何番地まで特定できないなら、まあいいか」という感覚で出しています。
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