ダイバーシティは多様性で
言葉の訳し方の話です。性別年齢人種宗教の多様性を指す言葉に「ダイバーシティ」という言葉が使われることが増えてきましたが、これを「多様性」と書くのに反対する意見をあちこちで見かけます。ささいなこだわりのために和訳を拒否してカタカナ語を増やす意見がどうにも理解できません。(過去にも「説明と同意」を拒否して「インフォームドコンセント」というカタカナで押し通す人たちとか「協賛」「提携」を拒否して「コラボレーション」のカタカナを強調する人たちとかもいますが。) こまかい意義を追求したい人に対応するには「多様性受容」とでも書いておけばよいでしょう。
(1). 言葉の定義。もともと、英語の用語だから定義ががっちり決まっている、ということはないんですよね。英語もアイマイ。日本語もアイマイ。言葉の定義は時代で変わるし文脈で変わるし、「この会議では、用語「課金」はあくまでも運営側の、とりたて、という意味につかいます」とか定義を決めたらそれでいいんです。
(2). ニュアンスのずれと言語。 細かいこと言い出したらどの言語でもずれてます。英語も日、仏、独、もぜんぶ違います。「日本語の『森』とドイツ語の 『wald森』はずいぶん木の広がりが違う」とか言い出したらきりがないんです。だからとにかく木が2本以上並んでたら森と訳す、それでいいじゃないですか。「ダイバーシティ」を「多様性」と訳したらちょーっと、意味が狭くなっちゃうよなー、とかコダワル人は永遠にダイバーシティと通してもらって構わないけどそれは個人ですませてほしい。
(3). 多様性を扱った記事の例
記事A. いま求められる「ダイバーシティ・マネジメント」 本文中「一般的に、ダイバーシティ(Diversity)は「多様性」と訳されているが、実は「Diversity & Inclusion」を省略したもので...」 それなら「多様性と受容」で十分だと思いますけどね。
記事B 日本人の大多数はダイバーシティの意味を誤解している 記事の第3ページで本文中「つまりダイバーシティの本質は、性別でも年齢でもなく、「視点のダイバーシティ」であるというのが、私の指摘である。違ったものの見方が...」とあり。これも単に視点の多様性としておけば大丈夫ですね。本文では国籍、性別、などの違いに触れてます。
記事C NHK視点・論点 2013年記事「"ダイバーシティ"の推進を」 本文中 「ダイバーシティというのは日本語で「多様性」と訳されますが、さまざまな違いを尊重して受け入れ、「違い」を積極的に活かすことにより、変化し続ける環境や顧客ニーズに効率的に対応するということです。」なんだか言葉の定義の拡大なのか、 多様な状態をさす形容詞だけでなく、ニーズに対応するという動作まで含むような解説ですけど、ホンマかいな、と頭をひねってしまいます。
ということで「多様性と受容」 が今の企業で割と大切、という趣旨には僕はあまり反対はしてません。「ダイバーシティ&インクルージョン」と16文字を消費するのが面倒臭いなあ、と常々感じておる、というわけです。 なお写真はグーグルで「ダイバーシティ」画像検索の結果。上位の画像がほとんど「お台場ダイバー シティ東京 プラザ」のガンダム関連になっています。つまり人種国籍宗教性別を超えガンダムが愛されているというグーグルの回答ということでしょうか。(お台場のはDiver city . 多様性ダイバーシティは diversityと綴りは違うんですけど気にしないことにします。)
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