決まり文句のような言い方で「そんな事やってるのは日本だけ。欧米先進国じゃどこもやってないから、日本もやめるべし」という論法があります。で、この「そんな事」の部分を完全否定したい論調で登場するセリフですが、しばしば他国の調査もせず使われるので要注意です。最近2件ほど「...日本だけ」の根拠を調べると「日本だけじゃない」実例を見つけたのでここに紹介。社歌と高層ビル住居です。
(1) 会社の歌「社歌」。
新宿次郎 氏のツイート。『 一行ネタ/いわゆる「社歌」というのは、日本にしか存在しないらしい(「お役所の掟」によると)/校歌も、日本にしかないのだろうか?』この新宿氏は引用元をきちんと書いてくれているので、書籍「お役所の掟 - ぶっとび霞が関事情」 1997年、著者の宮本 政於 氏の間違いとわかりますが。僕が調べてみると米国で1例ありドイツで1例あります。 (ロシアのも追加)まあ日本でも社歌を実際に行事で歌う例には出会うことが珍しいと思いますが。
(1-A)メルセデスベンツの歌。
「メルセデスベンツと共に進め」 Mit Mercedes Benz voran という社歌ありました。いやあこれは力強い歌詞だ。YouTubeも探すとすぐ見つかる。
Mit Mercedes Benz voran Herms Niel Reichsmusikzug des Reichsarbeitsdienstes ベンツ乗りならばこれを歌いながら運転するとガンガン、力が湧いてきますよ。
(1-B) 次にIBMの歌。歌詞はこれ
IBM Rally Song, Ever Onwardこれが社歌なのかどうか、 rally songの訳は社歌として良いのでしょう。YouTube動画は
IBM: Ever Onward なお、この歌を作らせた 社長ワトソンの事は
IBM Think History 第3回 「社長ワトソンの奮闘、そしてIBM誕生」に解説してありますが、「社員の心を掴む。そのためにワトソンが行った改革は、多岐に渡ります。社員の家族も連れた、カナダへのピクニック。野球などスポーツのチーム結成。そして、音楽。社内にブラスバンド、オーケストラ、グリークラブなどを結成させたほか、社歌の制定も主導しました。」これは驚き。まるで昭和の日本企業ではないか、という印象。
(1-C) ロシアの例。
ツポレフ社歌 Гимн туполевцевこの資料の本文には「航空機メーカー「ツポレフ」の社歌で、恐らく1922年の設計局開設から85周年を記念して最近作られたものと思われます。」とあり。
(2) 高層ビル住居の建設。2015年9月の夕刊フジ記事「実は、先進国の中でタワー型を盛んにつくっているのは日本だけだ。特にヨーロッパではほとんどの国が高層住宅を半ば禁止している。」(
「タワー型マンションに住む危険性...」zakzak)というのがあります。 で、その内容は本当かどうか、ロンドンの建築を調べてくれた記事を発見。 ロンドンの高層住居ビル8棟を紹介する記事です。
「都市伝説?ヨーロッパのタワマン禁止・タワマンの流産リスク」では「1980年代以降に建設された高さ90m以上の超高層マンションは、ザット調べただけでも8棟(建設中を含む)...」とあり。2010年代に建てられたものも多いという結果。ロンドンの人、きっちり高層住宅住んでます。
(3)番外。校歌は今の所アジアに少々あり。 学校の校歌は今の所シンガポールの
Crest Secondary School Theme Song 動画と、インドの
Theme Song - St Joseph E. T. High School, Valsad と、バングラデシュの
CPHS theme song -chhagalnaiya pilot high school あり。アジア中心かもしれません。米国の例は一つ発見。 米国サウスカロライナ州の小学校
Okatie Elementary School theme songは校歌なのでしょう。きっと。
参考に過去記事で2015年記事
「21世紀版イヤミの生まれる理由」と、
2012年記事
日本製品を叩く「国際視点のオレ」達もどうぞ。
最近のコメント