各国の所得格差、ジニ係数
所得格差のことを調べてみました。8月から9月に一部で炎上しているNHK貧困女子高生問題にはあまり興味がなくて、個別の問題を見るより全体の統計を見てから意見を言った方がいいんじゃないかな、という気持ちです。
◎なぜ所得格差が話題なのか。 ここ2年くらい所得格差が話題に出るのは 2014年出版「21世紀の資本」 : トマ・ピケティ著が格差の事を取り上げてからのようです。本の内容は週刊現代「21世紀の資本、を簡単図解」に書いてあります。
◎ジニ係数は大事なのかどうか。 所得格差、不平等を示すという数字にジニ係数というのが出ます。総務省統計局見ると、「ジニ係数以外にもアトキンソン指標、一般化エントロピー、タイル指標など分割公理に対応した指標もありますが、国際的な比較の観点からもジニ係数が用いられ...」とあります。比べる基準としては悪くないのでしょう。 なお、wikipedia記事「ジニ係数」には留意点として 「税金や社会福祉などによって再分配機能が充実した国の場合、初期所得(税引き前の給与)でのジニ係数と、所得再配分後のジニ係数が異なる。」があります。参考に 野村総研、 日本のジニ係数の推移と所得格差の現状PDF書類もあります。
◎世界の国別のジニ係数。 各国別比較のグラフを幾つか見つけました。
(a) 総務省統計局1984-2009年まで9カ国くらい。
(b) 図録 ジニ係数による所得格差2009-2012年、OECD+ロシア。数字ではロシア、米国、英国あたりが日本よりも格差大。
(c) 世界・収入不平等指数ランキング141か国。2008年あたりが基準。ロシア、米国、中国あたりが日本よりも上、つまり格差大。大雑把に言うと、ジニ係数が大きい=格差が大きいのは米国、英国、次に日本あたり。格差が小さいのはスウェーデンあたりですかね。
◎格差がここ20年で広がっているかどうか。 それは広がっているようです。世界各国で。これはトマ・ピケティ氏もそう書いているようです。総務省統計局のグラフでもここ25年は先進国各国でジニ係数が皆上昇中に見えます。
◎以上をざっと読んでみての僕の感想。ピケティ「21世紀の資本」には確かに重要な指摘がある。世界の先進国ではここ20年(ここ200年?) 所得格差が広がりつつある。別に日本だけの課題ではない。では富裕層に高い税率をかけようというのは日本や米国で意義があるのかどうか、そこはよく分からない、という印象です。少なくとも米国では金持ちからもっと税を取れという意見は盛り上がってない様子(アメリカで「所得再配分論」が不人気なワケ)ですよね。
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